太古の昔に遡ってみても、人間の悩みのほとんどは「人間関係」であったことが、様々な書物からわかっています。
人が人と関わる以上、これまでも、これからも、避けては通れない問題であると思いますが、その時々で、必ず対処法はあります。
ここに掲載する記事は2020年5月~10月まで「限定配信」しておりました有料メルマガ『真夜中のお手紙』より抜粋したもので、普段のメルマガとは違う “ ビジネス以外のご相談 ” にフォーカスした、女性起業家向けのご相談回答企画です。ご好評につき、一部を当ブログでご紹介致します。
一匹狼が楽だって思っている私も、本当に気の合う人とは、ずーっと長く、お付き合いさせて頂いております。数少ない私の友、いつもありがとう!
起業家は自由の象徴にも見えますが、人間関係無くしては、何ごとも務まらないものです。
会社員のような雇用関係には無いとは言え、繋がりも、礼儀も、コミュニケーションも、やっぱり必要な要素なのです。そして、日本はやはり、諸外国よりは、同調圧力の強い文化であると感じます。
どう言い表していいのかわからないのですが…
今、チーム経営のような感じで女性起業家さんと、主婦達4名、計5名のチームでお仕事をしています。
その起業家さんのお手伝いをしながら、ビジネスについても学んでいて、メンターのような存在でもあります。
テレワークを推奨してくれていたり、お仕事以外にもチームでのランチに子連れを許可してくれたり、私にとって、かなり融通を利かせて貰えるのでとてもありがたいのですが、私は、そこで力を付けて、ステップアップし、いずれは自分の仕事チームを持ちたいと思っています。
先日、他のメンバーや、その起業家さんにそんな話をすると、凄く嫌な空気になってしまいました…。
言い方が悪かったのかな、と色々考えたのですが私は、今の環境や周りの人に凄く感謝もしているし、だけど何十年と骨を埋めるつもりは無く、将来的に自分がリーダーとなる事でビジネスをしていきたいのです。
そこは、個人の自由だと思うのですが、女性ばかりのチームで、なんとなく同調圧力と言うか…その起業家さんの周りに近い人が凄いとか、その起業家さんと会えることは誇らしい事だと言うようなイメージを持たないとダメと言われているような雰囲気で、ワガママかもしれませんが凄く嫌気が差す時があります。
そんな思いで過ごしていた事がもたらしたのかもしれませんが、同じチームのメンバーに、その起業家さんが私の悪口を言っている、などと聞かされショックを受けています。
恩知らずだとか、調子に乗っているとか、普段、私と接している姿からは想像つかないような言葉で、かと言って、教えてくれたメンバーが嘘を言っているようにも思えません。
自分が本当に恩知らずなのかな、と落ち込むばかりです。こんなマインドで、自分がリーダーとなりやっていくなんて甘い考えでしょうか?
ハムチーズさん:42歳 2児の母
ご相談ありがとうございます。
ちょっとタイトルに辛辣な言葉を使わせて頂きましたが・・・
私は、お話をお読みして、正直、ハムチーズさんへ対する嫌がらせ行為とも取れる、と、感じました。
まず、メンターさんが仰られた言葉については、実際に見聞きしていないので
色々と、不明確な部分はあるにせよ、その言葉だけを捉えてみると、やはり、心地よいものでは無いですよね。
私は、女性起業家さんの活躍をサポートする立場にも居ますし、世の女性たちが、どんどん収入を伸ばして、社会的に肩身の狭い想いを無くして欲しいとも考えているので、尚の事、せっかくメンターさんがビジネスを教える立場にいらっしゃるのであれば、このお話は残念に思いました。
個人的な攻撃も辛いものですが、ましてや、チームメンバーにそのような発言をする、と言う事が・・・
タイトルとさせて頂いた理由です。
まず、ハムチーズさんは、このメンターさんや、チームの環境に、とても感謝していらっしゃいますし、与えられたお仕事をこなしていらっしゃる時点で、それ自体が大きな貢献です。
そして、メンターさんにとっても、ご自身の元で学ばれた生徒さんが飛躍される様は、誇らしいものだと思います。
そう、思えないのだとしたら…
どこに理由があるのかは、私からは見えませんが、
ハムチーズさんのスキルを凄く買っていて、離れて行って欲しくないとか
チームが凄く良いバランスだから、去って欲しくない、このまま続けたい
などの想いがあったりするのかな?と。
でも、これはご自身、またはご自身のチームの保身であって、独立心のある、ハムチーズさんの未来を思った考え方では無いですよね。
人材育成は、投資的要素も大きいので、貢献して欲しい、と言う思いもわからなくも無いのですが、ラーメン屋さんの、暖簾分け、じゃないですが、長期的な未来には、個々の進化と発展がチームの繁栄にも繋がっていくと思います。
私自身、そうやって、今も長くお仕事を通じた関係を持たせて頂いている例も多く、それぞれが力を付けた先の未来なんて凄く素敵だと思います。
もしかすると、メンターさんは今、目の前の事にしか意識が向けられないのかもしれないですね。
ハムチーズさんが、そこを巣立ったとしても
“ その方が win-win になれる ”
と言う未来を、その女性メンターさんが描けることができれば・・・
全て良い方向に動くと思います。
これは、コミュニケーションや、コピーライティングにおいても、ビジネス全般で、大事な考え方になりますから、ぜひ、女性メンターさんにプレゼンする想いで『その時』に備えて、話しあってみて下さいね。
一緒に走った仲でいらっしゃれば、チーム全体で、きっと、分かり合えると思います!
いろいろなパターンがあるとは思いますが、私は、そのままの状態にしておきたくない時、やっぱり時間を無駄にしたくないので、自分から歩み寄ることを心がけています。
もちろん、全てが上手くいくとは限りませんが、「やるだけの事はやった」という手応えが無いままでは、次に進むこともできないのでは無いでしょうか。
美容師時代の話です。
なかなかに、古きしきたりの残る業界なので実は、今回のお悩みのような問題は、あちこちで勃発していました。
美容師さんって、基本的に『店』では無く『人』にお客さんが付くので、独立してお客さん持って行ったとか、近くに店オープンさせて嫌がらせだとか、そういった問題になる事が多いのです。
(嫌ですねぇ)
でも、そこでも同じ原理でした。
そうやって、元従業員の未来を阻む人は、収益面でも、人間関係においても、どんどん、崩れて行きました。再起不能になった人も居ます。
方や、独立を応援・支援し、良い情報交換をしながら、互いに発展しようと務めたオーナーの元には、巣立ってからも、世話になった人達が訪れ、地域的に活性化させたり、美容師のネットワークが生まれたり、そういった相乗効果で、軒並み、各店舗が利益を伸ばしたり…
そんな光景も目の当たりしました。
奪う人は、誰かに奪われるし与える人は、誰かに与えて貰える。
これは、自然の摂理なのでは無いでしょうか。
たとえ、当人から還って来なかったとしても、巡り巡って、私たちは、与えた事に対する恩恵を、日々、頂いているものだと思います。