ジェンダーレスの時代とはいえ、性別による特徴や差があるのは事実です。
それを踏まえ、あなたの商品、サービスの「ターゲット」は誰なのか?という事を、考えて決定していますか?
ここに掲載する記事は2020年5月~10月まで「限定配信」しておりました有料メルマガ『真夜中のお手紙』より抜粋したもので、普段のメルマガとは違う “ ビジネス以外のご相談 ” にフォーカスした、女性起業家向けのご相談回答企画です。ご好評につき、一部を当ブログでご紹介致します。
業界、業種に限定していたり、年齢や性別を限定していたり、という事が「必要」なのか「不必要」なのか?
意外と、ここで悩む人は多いです。
昨年からセラピストとして独立し、自営業者になりました。
地道に、ですが、少しずつお客さんも増えて来ました。
私の仕事は、女性向けサービスです。
男性を相手に、できなくも無いのですが過去に、怖い体験などもあり、男性の方が、お金を持ってそうとは思うのですが、この先お客さんにするつもりはありません。
なので、女性目線のことしか書きませんし<男性お断り>と、あえて書くような事はしていないのですが多分、誰が読んでも、それは伝わると思います。
なのに、男性からの問い合わせが無くならないです。
月によっては、男性の方が多くて無駄な対応に時間を取られます。
やっぱり、売上は上げたいし一度、問合わせの男性人数×客単価を考え、受けてみようかとも思ったんですがやっぱり、過去の恐怖がフラッシュバックします。
知人の起業家に相談すると
「独立して、そうそう問合わせなんて無いんだから贅沢。お客さんにすればいいじゃん。」
と、軽く言われるのですが気が重いです。
こんな事では、サロンの売上を伸ばすのは難しいでしょうか?
男性も視野に入れていった方が良いのでしょうか?
確かに、そういう層を上手く使って仕事してるなー、と思う人も周りに居ますが(笑)なんとなく好きになれません。
まゆさんだったら、どうされますか?
ヨシザワさん:39歳 2児のママ 自営業
ご相談ありがとうございます。
ヨシザワ さん、独立おめでとうございます!
今まで以上に、やり甲斐を感じつつ、また、初めての事でのご苦労も多いかと存じます。
まず、『女性だけをターゲットに絞ること』は、全く問題ございません。
性別では無く、年齢や職業などでターゲットを絞り込んだ場合も、同じ事が言えますが
みんな、どうしても
「逃した魚は大きいのでは?」
と、感じてしまうものです。
ですが、冷静に考えて、女性だけでも、世の中に人は五万と居て、十分に、ターゲットの数は足りているのです。
そのうちの数十名、数百名が、ヨシザワ さんのところへ、毎月、訪れてくれると考えて下さい。
それだけで、目標売上の何%を達成しますか??
恐らく、そう悪く無い数字になっているハズです。
そして、
『その女性たちを毎月〇人』
来てもらう事だけを考えて集客するのです。
マーケティングとして、やれる事は山ほどありますが、全てにおいて、ターゲットの事をイメージしながら考えて下さい。
と、ここで。
「女性・・・いや、男性も少しは・・・」
などと考え始めると
全てにおいて、ブレが生じます。
などなど、全体を通して抽象度がかなり上がり
『誰に、何を言いたいのか?』
『どんなお客さんが、何を得られるのか?』
が、見えないのです。
これは、
その他大勢に紛れる売れないパターン
になります。
今、ヨシザワ さんが、お客さんを得ている理由のひとつは、女性に向けたアプローチを行っているからという要因が強いと思います。
これが無くなってしまい、男性も~、というメッセージに変わった途端、違和感を感じるお客様も少なくは無いと思います。
とは言え、情報と言うのは、結局のところ、受け手の解釈が全てなので、今後も、男性客からの問い合わせ自体はあると思います。
お客さんは、選ぶべきです。
スモールビジネスほど、必要な事です。
ヨシザワ さんのお気持ちが乗らないのであれば、キッパリお断りして構わないですし、場合によっては、ご紹介や
ご夫妻での利用など、イレギュラーな対応を取る場合もあるでしょう。
それらを含め、柔軟に対応できることが、スモールの強みであり、魅力でもあります。
『 100%、〇〇だ! 』
と言う考えは、作らなくて構わないですが、理想のお客様像は、必ず決めておいて下さいね。
そして、来られたお客様と、長く、良好なご関係を続けて行って下さい!
女性向けサービスを提供し、結果として男性が来られた(受ける、受けないは別として)
このこと自体は、特に不思議な話ではありません。
男性向けの洋服を買う女性も居ますし、女性向けのキャピキャピした雰囲気のカフェに、男性が並んでいる事もありますよね。
問題は、そもそものコンセプトが、「もったいない」とか「あわよくば…」などという邪念で、ブレてしまうこと。
そうなると、ブランディングも希薄になり、発信している情報も、ブレたメッセージになります。
これは、せっかくのマーケティング効果を半減させることに繋がるので要注意です。
ターゲットの性別を、どうするのか?と言う話は、いくつかご相談を受けます。
先に書きましたが、性別に限らず職業?地域?年齢?趣味嗜好?どこまで絞り込むのが正解かと、考えだすと、迷宮入りしそうになりますよね。
でも、いつ、何時も『 ゴール 』を、考えて下さい。
私たちのようなスモールビジネスは、新規顧客獲得に多額のコスト(時間・労力・お金)をかけ続けることは、勝負として、厳しいものがあります。
ですので、1人のお客様との一期一会の出逢いを大切に紡ぎ続けることが、他の多くのお客様を呼び込むことへも繋がって行きます。
リピーター率が低い場合、過酷な戦いを続けているところが多いです。
昔、知人の起業家に、こんな女性が居ました。
その方は、女性向けの恋愛・パートナーシップ問題を解決する、先生のようなポジションでお仕事をされていたのですが、徐々に、男性からの相談も増え、また、男性客は所得も多く、お金払いが良いなどの理由で、男性向けの恋愛塾のような講座にシフトチェンジしたのです。
結果、売上は3倍にも膨らみました。それが、恋愛塾の第1期です。
当時、生徒さんを迎えての対面講座を、月に1回開催していらっしゃったのですが…蓋を開けると生徒のほとんどが、先生(その起業家)に恋をしている状態でした。
このビジネスが、長く続かないであろうと言うのは、あなたのご想像通りです。
結果的に、過去最高売上を「一時的には更新」したものの過度な精神ストレスで第1期すら、キチンと、終えられぬまま幕を閉じたのです。
先生はもちろん、生徒さんにも幸せは訪れなかったことでしょう。
安易にターゲット選定をブラし、メッセージを変える事は、結果的に、自分やお客様を苦しめることになってしまうかもしれません。
そもそも、あなたはそんなビジネスに、情熱を注げるでしょうか??
目の前の小さな成功より、その先の、更なる大成功を目指して、地に足を付けたビジネスを拡大させて下さいね。